ドッグフードの原産国(アメリカ)

ドッグフードの原産国(アメリカ)

日本では多くの海外産のドッグフードが販売されています。 その中でもアメリカ産ペットフードは、種類・量ともに最も多く輸入されています。 ペットフード考案者の出身国であり、世界中のフードメーカーに利用される栄養基準を発表しているAFFCOが存在するアメリカは、動物の健康と栄養素、ペットフードの安全性などに関する研究が盛んな国です。 アメリカのペット事情、そして、アメリカ産のドッグフードについてご紹介します。

大型犬が好まれるアメリカ

動物が大好きなアメリカの人たちは、犬・猫はもちろんのこと、それ以外の小動物やヘビなどの爬虫類まで、さまざまな生き物を飼育しています。家の中で色々な種類の動物たちが一緒に暮らしていることも珍しくありません。 そんな中でも、特にワンちゃんの人気は高く、自分の子どもや兄弟に対するように接している人が大勢います。 遥か昔から獲物を狩って食糧を得てきた歴史を持つ西洋の人たちは、犬を狩りのパートナーとして大切にしてきました。 現代では、趣味でハンティングをする時などを除き、犬とともに狩りをすることはないでしょう。 しかしワンちゃんは、生活を一緒に楽しむ相棒として、アメリカの人たちの日常に溶け込んでいます。

アメリカは、広い国土を持つ国です。 建物が密集している大都会はともかくとして、多くの人が広い庭の付いた大きな一戸建てに住んでいます。また、靴を履いたまま家の中で生活をすることが一般的です。 このように、大きなワンちゃんや、たくさんの動物を飼育しやすい環境に恵まれていることも、アメリカの家庭の多くでペットが飼われている理由のひとつでしょう。

アメリカのペンシルベニア州にあるピッツバーグの住宅街です。広大な土地を有するアメリカでは、広々とした家に住む人が多く、大きなワンちゃんを室内で飼育しやすい環境です。

現に、アメリカで飼育頭数の多い犬種ベスト3は、

1位 ラブラドール・レトリーバー

水中における漁で活躍していたラブラドール・レトリーバーは、泳ぎが得意なアクティブな犬種です。「レトリーバー」は「レトリーブ(回収する)」という英語から派生しています。 社交的で明るい性格であり、賢さも持ち合わせているワンちゃんです。冷たい水から内臓を守るため、脂肪を蓄えやすく、よく食べる性質を持ちます。

2位 ジャーマン・シェパード・ドッグ

日本では警察犬としてお馴染みの犬種です。勇敢で知能が高く、命令遂行能力に長けているため、番犬としての適正も抜群です。愛情深く、自分の群れ(家族)をどこまでも守ろうとする性格の持ち主でもあります。

3位 ゴールデン・レトリーバー

ゴールデン・レトリーバーは、猟で撃たれた獲物を回収するために活躍していた犬種です。愛情深く、飼い主さんや、同居している他の動物と一緒にいることを強く望みます。 高い知性を持つ一方で、いたずら好きで楽しいことが大好きな、ヤンチャな面もあります。

となります。 1位から3位まで、見事に大型犬がそろっています。 4位がブルドッグ、5位がビーグルと、小さめのワンちゃんの人気も高いですが、やはり大きな体格を持つワンちゃんが好まれる傾向が強いです。

大きなワンちゃんや、その多頭飼いは、どうしてもフードの量も多くなりがちです。 車社会のアメリカとはいえ、何キロものフードを毎回毎回店舗に買いにいくことは大変でしょう。 そのためアメリカでは、フードを購入する際にネットショッピングを利用する人が増加しています。 また、ドッグフードを自宅まで届けてくれる「フードの宅配サービス」も人気上昇中です。

ペットがいるのが当たり前、といったアメリカでは、ほとんどの賃貸住宅で、保証金(デポジット)を預かったうえで、ペットの飼育が許可されています。 レストランやカフェなどは、どこでも犬同伴が認められているわけではありませんが、その決定権は店側に委ねられています。 店内は動物禁止でも、テラス席ではOK、といった飲食店も増え、愛犬のために寒さを我慢しながらテラス席で食事をとる人もいるようです。

ある程度の運動量が必要な大型犬がたくさん飼育されているアメリカでは、ドッグパークと呼ばれるドッグランを多く見ることができます。 ワンちゃんの便を入れられる袋が常備されている所が多いのは、アメリカの人たちの犬に対する意識の高さがうかがえるポイントです。

ドッグパークで頻繁に走り回っているワンちゃんたちは、自然と他の犬と交流する機会も増えます。 そのため、きちんとしつけをされていないワンちゃんは、他の子にいきなり吠えかかる、嫌がられているのにしつこくちょっかいをかける、萎縮して動けなくなるなど、さまざまな問題行動を起こす可能性があります。 特に体の大きなワンちゃんの場合、このような行動によって相手にケガをさせるなど、大きな事件に発展してしまいかねません。 そのためアメリカの人たちは、愛犬のしつけを熱心に行う傾向があります。 家庭内でのしつけはもちろんのこと、ワンちゃんのしつけ教室も盛況です。 日本では、さまざまな状況のワンちゃんが一緒にトレーニングすることが多いですが、アメリカのしつけ教室は、ワンちゃんの年齢やしつけの入り具合などでグループ分けをして教えています。

動物を大切にするアメリカでは、犬や猫を家族に迎える際にペットショップへ行く人は少数派です。 ほとんどの人が、動物保護施設(シェルター)やブリーダー、知人などを訪ねて譲ってもらいます。 ネットや新聞でも、多くの飼い主募集の広告が出されており、こうした情報を利用する人もたくさんいます。 さらに、アリゾナ州フェニックス(下記写真参照)では、ペットショップにおいて「保護施設の犬猫以外を売ってはならない」という法律が2015年に可決されました(※1)。

※1 アメリカでは、アメリカ国内全てで効力を持つ法律と、各州ごとに制定されている法律が存在します。

まるで西部劇に出てきそうなサボテンが自生する、アリゾナ州フェニックスです。過ごしやすい温暖な気候に恵まれ、雄大な自然に囲まれたフェニックスですが・・・・・・。(下の写真に続きます)
このような近代的な都市部も存在します。娯楽施設も多く、ショッピングや外食にも不自由しません。「アメリカ国内で最も住みたい都市」に挙げられることも多い地域です。

アメリカのペットフード事情

アメリカはペットフード発祥の地

2007年、アメリカでは、カナダの工場で作られた「メラミン入りのペットフード」によって、多くの犬や猫に健康被害が出た事件がありました(※2)。 この事件以降、アメリカ人のペットフードに対する意識は向上し、2017年にある企業が行った調査では、7割以上の飼い主さんが、「愛犬の健康を保つ上で、上質なフードを与えることが大切である」と考えているという結果が得られています。

※2 アメリカのペットフードメーカーの依頼を受け、カナダの工場で作られたドッグフードに、メラミンやシアヌル酸が混入されていた事件です。原因は原材料として使われた中国産のグルテン類であり、タンパク質の量を多く見せかけるために、メラミンを人為的に添加されていたことが判明します。アメリカ全土だけでも多くの犬猫が腎不全を起こし、亡くなった子もいます。 詳しくはこちらの記事をお読みください。→ドッグフードの原産国(中国)

フードの質を重視する飼い主さんたちの要望に答えるため、アメリカのフードメーカーは安全性にこだわった多種多様なドッグフードを製造しています。 もともとペットフードは、アメリカ人によって生み出された商品です。 プラスチックの成形に利用されていたエクストルーダーという機械が、ペットたちのフード作りに応用できないかと考えられたのが、ペットフードの始まりです。 日本よりも何十年も早く、それこそ日本人がまだ愛犬に味噌汁をかけたご飯や自分たちの残飯を与えていたような時代から、アメリカでは栄養素と犬の体の関係性についての研究が行われてきました。 世界で初めて犬・猫の栄養基準を発表し、総合栄養食という概念が誕生するきっかけを作ったNRC(The National Research Council)(※3)や、2018年4月現在において、多くの国々がフード作りに利用しているペットの栄養基準を公開したAFFCO(米国飼料検査官協会)※4)は、アメリカの組織です。

※3 NRC(The National Research Council)・・・アメリカにある米国科学アカデミー内の、調査研究機関です。さまざまな実験データの検証や調査を行い、動物の栄養基準を公表しています。1974年に犬の、1978年には猫の栄養基準を発表しており、これが現在の総合栄養食の考え方の元になっています。

※4 AFFCO(米国飼料検査官協会)・・・アメリカの連邦政府と各州が共同で運営している組織です。「米国飼料検査官協会」を意味する「Association of American Feed Officials」の頭文字を取った「AFFCO」は、「アーフコ」と発音されます。もともと家畜飼料に関する研究を行っていたNRCの発表する栄養基準では、愛玩動物として飼われる犬や猫の体質にそぐわない面があると考えられたことが、AFFCO誕生のきっかけとなりました。ペットフードのパッケージ表示や、栄養配合量の基準を作り公表しています。AFFCOの栄養基準は、日本を始め世界中の国々で、フード作りに生かされています。

アメリカにおけるペットフード業界は、日本よりも長い歴史を持ち、長期間に渡って蓄積されてきた研究結果や各種データなどを豊富に抱えています。 人間が食べられる食材をフードに使用することが義務付けられているドイツ、官民で協力しながら作った安全な素材を使用したフードを作っているオーストラリア、有機栽培された農産物やそれを食べて育った家畜の肉などから作られるフードが人気のフランスなど、「ペットフード先進国」は他にもありますが、アメリカも間違いなくその中の一国です。

オーストラリア、フランスのドッグフードについては、こちらのページで詳しく解説しています。
ドッグフードの原産国(オーストラリア)
ドッグフードの原産国(フランス)

さまざまな肉類や新鮮な素材を使ったフードが製造されている

アメリカでは、非常に多くの種類のドッグフードが製造されています。 日本でも、さまざまなアメリカ製フードが売られているため、「輸入ドッグフード」といえば「アメリカ産」を連想する人も多いことでしょう。 フードのメインとなるタンパク源ひとつをとっても、非常に多彩です。 日本でもお馴染みの鶏や牛、豚、魚から、バイソンやターキー(七面鳥)、ダック(アヒル・鴨)、ラム(仔羊)、ベニソン(鹿)、ワイルドボア(猪)、ラビット(うさぎ)など、日本では飼育数が少ない、もしくは棲息していない動物の肉を使ったドッグフードも数多く作られています。 日本では、鳥類を使ったミール(※5)といえば鶏肉由来のチキンミールが一般的ですが、アメリカでは鶏肉に加えてターキーを使用したものも多く利用されています。

※5 ミール・・・原材料から水分や油脂を取り除き、粉末状に加工したもので、ペットフードや家畜用の飼料に利用されます。食用となる良質な肉類や魚から作られたミールは、栄養分が凝縮されており、タンパク質の補給に有効です。しかし、血液や頭部、羽毛など、栄養的な価値が期待できない部位を使用した粗悪なミールは、原材料の安全性や品質の劣化などが懸念されます。

バイソンは、アメリカバイソンとヨーロッパバイソンに分けられます。ドッグフードのタンパク源として使用されるのは、アメリカバイソンです。ネイティブ・アメリカン(アメリカの先住民)の人々は古くから、バイソンの肉だけでなく、皮や骨も生活に利用してきました。 バイソンについては、こちらのページで解説しております。→ドッグフードの素材(水牛(バイソン))
アメリカ産のミールに頻繁に利用されているターキー(七面鳥)です。ターキーと鶏肉(チキン)にはアレルギーの交差性(一方にアレルギーを持つ場合、もう一方にも反応が出てしまうこと)があるため、いずれかにアレルギーのあるワンちゃんはフード選びの際に注意が必要です。 ターキー肉についての詳細は、こちらの記事でご確認ください。→ドッグフードの素材(七面鳥(ターキー))

さらにアメリカでは、ドッグフードへの使用頻度の高いトウモロコシや小麦、大麦、大豆などの農産物の栽培も盛んです。 それもそのはず、アメリカは、100%以上という世界でもトップクラスの食糧自給率を誇る国なのです。 フードメーカーがその気になれば、近隣の生産地からフード作りに必要な素材を集めてくることも可能でしょう。これが日本であれば、多くの原材料を海外からの輸入に頼る必要があります。

国内で必要な素材が調達できるメリットはたくさんあります。 まずは、輸送のコストが最小限に抑えられることです。 また、時間をかけて長距離を運搬される原材料は、温度や湿度、時間経過などによる劣化や栄養素の減少が避けられません。 しかし近隣から調達できれば、味が濃く、栄養素が豊富に残っている新鮮なうちにフードへ加工することが可能です。 新鮮な素材から作られた風味の良いドッグフードは、ワンちゃんの嗜好性アップに繋がります 。さらに、(調理法にもよりますが)栄養素の残存量が多いため、あえて栄養剤を添加しなくても、犬に必要な栄養素がタップリと含まれたフードを作ることもできるでしょう。

ランク付けされるペットフード

また、アメリカではドッグフードのランキングや賞レースなどが盛んです。 アメリカで人気の雑誌である、「The Whole Dog Journal」(略称:WDJ)は、ワンちゃん専門の雑誌です。 WDJでは、ドッグフードを独自の基準でランク付けし、「オススメできるフード」と「推奨できないフード」に分けて掲載しています。 判断基準はとても厳しく、

  • 人工的な添加物を使用していないか
  • 人間の食用に適さない副産物(※6)を使用していないか
  • 動物由来の質の良いタンパク質をどの程度使用しているか(当然、多いほど高評価に繋がります)
  • 由来が曖昧な油脂類が使用されていないか(「動物性油脂」という表示ではなく、「牛脂」、「チキンオイル」などと表示されているか)

など、さまざまなチェック項目があります。

※6 副産物・・・家畜から、食用に供される肉や内臓を取り除いた後に残った部分です。頭部や脚、骨、血液、羽毛、(食用にならない)内臓などが挙げられます。高い栄養価が期待できないことや、本来は廃棄される部位であるため、衛生的な管理がされているかが不透明であることなど、さまざまな問題があります。

特筆すべきは、このランキングは完全な公平性が保たれているという点です。 通常、こうしたランキングは、雑誌に載せる広告やスポンサーなどの関係で、順位に影響が出ることが一般的です。いわゆる「大人の事情」です。 しかし、WDJでは広告収入を排除し、ワンちゃんの健康を最優先した観点から評価を行っています。 ドッグフードの安全性に敏感な愛犬家の中には、この結果をフード選びの参考にしている人も大勢います。

WDJのランキング結果は、多くのペット関連のサイト上などで取り上げられているため、日本にいても知ることができます。 ただし、ランキングに登場するのはアメリカ製のドッグフードのみです。 日本を含め、他の国々のドッグフードの中にも良いフードはたくさん存在しますが、いくら優れたフードであってもアメリカ以外の国で作られたものはランキングされていません。

また、アメリカ・カナダ・イギリスの国家によって認められた研究機関による、動物たちの健康に寄与する優れたペットフードに与えられる「ペットフード・オブ・ザ・イヤー」という賞も存在します。 こちらは、ペットの健康に有益か否かを判断するために行われる医学的な実験結果をもとにして表彰するため、選ばれたペットフードの信頼性は非常に高いといえるでしょう。

このようにアメリカでは、良質なフードを作る会社でないと生き残っていけない環境ができあがっています。 生き残るため、各フードメーカーは安全で高品質なフード作りを熱心に行っているのです(もちろん、各会社によって差はあります)。

原材料欄には載っていない成分にご注意

アメリカ産ドッグフードを選ぶ際に、気をつけたい点もあります。 それは、日本とアメリカの法律の違いによって、日本では人用の食品添加物として認可されていない成分が、ドッグフードに含まれている可能性があることです。 例えば、酸化防止剤のひとつにエトキシキンという物質があります。 エトキシキンは、数ある酸化防止剤の中で、最も強力な抗酸化力を持つ成分です。 他の物質に代わって自らが酸化され、商品全体の酸化を防ぐ他の酸化防止剤とは異なり、活性酸素を自らの中に閉じ込めて抑え込んでしまうエトキシキンは、その効力が長く続きます。 作用の強さと持久性を兼ね備えたエトキシキンは、商品を酸化から守るためには非常に使い勝手の良い添加物です。 しかし、その毒性は強く、皮膚への刺激性やアレルギー発症リスク、腎臓・肝臓の機能障害など、さまざまな健康被害が懸念されている物質でもあります。

エトキシキンは、日本の法律では、農薬としても人用の食品添加物としても認可されていません。 しかしアメリカでは、いずれも認められています。 そのため、農薬として畑に散布される可能性や、エトキシキンを使って栽培された農産物を使用した飼料が、家畜に与えられている可能性もあるのです。 エトキシキンの残留した飼料を食べて育った家畜の肉にも、同じようにエトキシキンが残っているリスクも充分に考えられます。 エトキシキンが残留した肉類を、人間の食用として流通させてもアメリカでは違法ではありません。 そのため、「人の食用に適した材料を使っています」、「ヒューマングレードの素材を使用しています」などの表示のあるフードであっても、そのフードの原材料がアメリカ産である場合、エトキシキンがわずかに含まれている可能性は否定できないのです。

日本においても、ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)(※7)により、基準値内であればドッグフードにエトキシキンを使用してもよいことになっています。 しかし、ペットフードの製造段階で添加されたエトキシキンが、原材料欄にしっかりと記載されるのに対して、原材料に残留している場合には表示する義務はありません。 原材料を見て、エトキシキンが入っていることを納得して購入することと、知らず知らずのうちにエトキシキンを愛犬に与えてしまっていることには大きな違いがあります。 「エトキシキンの使われているフードは避けていたはずなのに、知らないうちに原材料由来のエトキシキンを犬に食べさせてしまっていた」という事態にもなりかねないのです。

※7 ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)・・・日本国内で2009年6月より施行された法律で、正式名称は「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」ですが、「ペットフード安全法」という通称で呼ばれることが多いです。犬と猫用のフード類の原材料や添加物の使用基準、ラベル表示の項目、農薬や有害物質の残留量などを規定し、日本で飼育されているペットの健康を粗悪なフードから保護することを目的としています。 この法律についての詳細は、こちらの記事をご確認ください。→ドッグフードに関する法律

アメリカのフードメーカーでは、「フードの素材にエトキシキンが残っていたとしても、その量はわずかであり、ワンちゃんの健康に悪影響を与えることは考えにくい」という見解を出しているところもあります。 とはいえ、多くの健康被害が指摘されているエトキシキンを、できることなら愛犬に摂取させたくないと考える日本の飼い主さんは大勢います。 しかし、「たとえ微量であっても、エトキシキンは避けたい」と考える場合、原材料の原産国やエトキシキン残留の有無などをしっかりと確認することが大切です。

ちなみに、フード自体の酸化を防ぐ目的で添加されているエトキシキンの基準値は、日本とアメリカでは異なっています。

日本
エトキシキン、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)(いずれも、健康被害が懸念される酸化防止剤です)の合計量が、ペットフード1kg当たり150mg以下であれば使用が認められています。 ただし、犬はエトキシキンに対する感受性が高く、健康に影響が出やすいと考えられているため、エトキシキン単独の含有量は、ドッグフード1kg当たり75mg以下でなければなりません。
アメリカ
エトキシキン、BHA、BHTを合わせて、ペットフード1kg当たり200mg以下と定められています。 エトキシキン単独の場合は、フード1kg当たり150mg以下の範囲で用いることが可能です。

とはいえ、ペットフードへのエトキシキンの使用量は、上限の10分の1ほどの量ではないかと推測されています。 これは、エトキシキンの抗酸化作用が非常に強力であり、少量でも十分な効果が見込めるためです。

また、ペットフード安全法は、日本産のドッグフードだけでなく、日本で販売される外国産ドッグフードに対しても例外なく適用される法律です。 そのため、たとえ「全体量1kgにつき、エトキシキンが75mg以上含まれた」アメリカ産のドッグフードが輸入されてきたとしても、日本国内での流通はできません

エトキシキン、BHA、BHTについての詳細は、こちらの記事をご確認ください。
ドッグフードの酸化防止剤(エトキシキン)
ドッグフードの酸化防止剤(BHA(ブチルヒドロキシアニソール))
ドッグフードの酸化防止剤(BHT(ジブチルヒドロキシトルエン))

2009年にペットフード安全法が施行され、それまでの「ペットフードには何を入れても違法にはならない」という無法地帯から、ようやく脱却を始めた日本と比べて、アメリカはペットの健康やフードに対する関心が高く、研究も進んでいる国であることは事実です。 しかし、どこの国にも当てはまることではありますが、アメリカ産のドッグフードであっても、全てが質の良い安全なフードというわけではありません。 前述のメラミンが混入されていたペットフード事件の際も、たくさんの被害を出したフードは、「アメリカ」のメーカーが、「中国」の素材を使用して、「カナダ」の工場に委託して作った商品でした。 また2018年には、アメリカ国内で販売されたドッグフードから、動物の安楽死に利用される「ペントバルビタール」という薬品が検出され、リコールに発展しています。

フードが「どこで作られたものか」は、購入を判断する際のひとつの目安ではあります。 しかしそれ以外にも、「どこの国の原材料が使われているか」、「その原材料は愛犬に安心して与えられる品質か」、「ワンちゃんの健康に必要のない(あるいは有害な)添加物は入っていないか」など、多くのポイントを確認して選択する必要があるのです。