ドッグフードの原産国(日本)

ドッグフードの原産国(日本)

「国産品は安全」といったイメージはとても強いですよね。 野菜などを購入する際、国産品にこだわる方も多いのではないでしょうか。 実際、日本の食品安全に対する意識はとても高く、厳重な規制に安全は守られています。 それでは、ドッグフードの場合はどうなのでしょうか。

国産のドッグフードは安全?

「外国産は心配だから、ドッグフードは日本の製品がいい」
「国産ならば、とりあえずは安心」

そう思い、ホームセンターなどで外国の製品は避け、日本のメーカーのドッグフードを選んでいる飼い主さんもいるのではないでしょうか。

しかし実のところ、国産品だからといって安全だと思い込むのは危険です。 むしろ、欧米産のドッグフードよりも粗悪な品である可能性が高いのが現状です。

食品問題の多い、またはあまり良い噂を聞かない国が原産国の場合は国産品の方が安全かもしれません。 しかしアメリカやドイツ、オーストラリアなどの、いわゆるペットフード先進国と比べると、日本のドッグフード事情は遅れていると言わざるを得ないのです。

もちろん、国産でも安全なドッグフードはたくさんあります。 しかし日本では、粗悪な原材料を使用し、危険な添加物を投入しているドッグフードが後を絶ちません。 低価格帯のものは、特にその傾向が強いです。 なぜ日本のドッグフード事情は、このようになってしまったのでしょうか。 ペットフード先進国である欧米とも比較して、みていきたいと思います。

欧米と日本のペット事情の違い

「犬は単なるペットではなく、家族の一員」
そう思っている飼い主さんも多いはずです。 昭和あたりまでは犬は外で飼育し、ご飯は人間の残飯、家族というよりは番犬の役割、といった傾向が強くありました。 しかし時が経つにつれて、ペットを家族同然に扱うことも珍しくなくなりました。

飼い主さんとしてはそうですが、日本社会がそうであるかと聞かれれば、すぐに首を縦に振ることはできません。 その理由を、いくつか紹介します。

日本ではドッグフードは「食品」ではなく「雑貨」扱い

ドッグフードをスーパーなどで購入するとき、どの位置に陳列されているか意識したことがあるでしょうか。 食品コーナーではなく、洗剤や文具などの日用品のフロア(もしくは棚)に置かれていませんか? 実はこのことからもわかるように、日本ではペットフードは「食品」ではなく「雑貨」扱いなのです。

日本では、私たち人間が口にするものには「食品衛生法」が適用され、スーパーなどで食品を販売する際は保健所への登録が必要になります。 しかしドッグフードはその対象から外れてしまうため、「食品」として扱うことができないのです。 そのため厳しい規制もありません。 こういった経路で売られているドッグフードがすべて危険とは限りませんが、安全であるとは言い切れないのが現状です。

法律の違い

ペットフードの安全のための規制や法律に関しては、日本は先進国の中でもかなり遅れています。 欧米諸国では、特に「ペットを家族の一員として扱う」という意識が高く、ドッグフードの安全に関する様々な規制や法律があります。 中には「人間の食べられる原料を使用しなければならない」といった基準もあるほどですので、その意識の高さがうかがえるでしょう。

対する日本におけるペットフード関連の法律は、2009年に施行された「ペットフード安全法」が初めてのものとなります。

※ペットフード安全法に関して詳しくは→ドッグフードに関する法律

これが初めての規制ということは、それ以前はペットフードの安全に関する抑止力が何もなかったということです。 当然わんちゃんの健康を考えて安全なドッグフード作りをするメーカーさんもいたはずです。 しかし、利益のために著しく生産コストを下げた商品が出回っているのも事実です。 発がん性の疑われる添加物を平気で使用していることからも、その関心の低さがうかがえます。

新たに法律が整備されたことは、ペットへの関心の高まりを表していますし、ドッグフードの安全への第一歩となります。 法律が制定されたからといって、すぐにドッグフードの質が上がるわけではありません。

さらにこの、「ペットフード安全法」にはいくつかの問題点があります。 それを少しだけみてみましょう。

危険な添加物の使用が認可されている

酸化防止剤としてBHAやBHT、エトキシキンといった危険な成分の配合が認可されています。 エトキシキンは特に、人間の口にする食品への添加はおろか農薬への使用も禁止されている危険なものです。

原産国の表記の規定が甘い

「原産国」=「原材料の生産国」ではありません。 「最終的に加工を施した国」が「原産国」と表記されるのです。 例えば、原料が中国産のものであったとしても、最終的な加工(梱包や詰め合わせは含まれません)を施した国が日本であれば、「原産国:日本」と表記することができるのです。 つまりいくらでも、ごまかすことができるということです。 最終的な加工ももちろん重要ですが、飼い主さんとしては原材料の生産国も気になるところですよね。 そういった意味でも、この法律は完全にドッグフードの安全を保証してくれるものだとは言い切れないようです。

このように、海外と日本ではペットに関する意識が大きく異なることがわかります。 安易な衝動で犬を飼い、育てられることができないといった事態を防ぐために、イギリスでは犬の展示販売は禁止されています。 確かに人と同等レベルに犬を捉えているとしたら、ケージに入れられ展示販売する様子に疑問を抱くかもしれません。 日本では2014年の時点で、年間約20,000匹の犬が殺処分されています。 しかし欧米では、よほどの事情がない限り犬を安楽死をさせることはないといいます。

このような意識の差が、ドッグフードの安全性への関心として表れているのかもしれません。

外国産のドッグフードなら大丈夫?

ここまでお話すると、国産のドッグフードは粗悪で、欧米産のドッグフードは安全、といった印象を受けるかもしれませんが、必ずしもそうとはいえません。

日本にも高品質で安全なドッグフードは数多くありますし、欧米産のものでも粗悪なドッグフードは存在します。 また、どんなに質の良いドッグフードであっても、外国産の場合、ネックになるのは輸入の際にかかる時間と距離です。 長い航路の中で、劣化してしまうことも考えられます。 そこで比較的安全な外国産のドッグフードを見分けるために、「正規輸入品」か、「並行輸入品」かを確認する方法があります。

正規輸入品
海外の販売メーカーから、日本に設置されている正規の代理店が輸入したものです。 正規のルートから大量にドッグフードを運ぶため、船の搭載コンテナ内もその保存に適した環境に保たれています。 販売価格は高くなりますが、お店の名前を使って輸入するため、問題があった際にも適切な対処をしてもらえることが多いです。
並行輸入品
正規代理店を経由せずに、第三者(個人業者など)の仲介を経て日本に輸入されるものです。 販売価格は正規品の半分程度になりますが、道中の管理がずさんな可能性があります。 並行輸入品は一度に運ぶ量も少なくなるため、他の荷物とともに詰められることが多いです。 運賃が安い代わりに長期間を必要とし、船内の温度の高い便で輸送されます。 そのため、道中での劣化は防げぬ事態となります。

安全を優先するのであれば、多少値段は高くとも正規輸入のドッグフードを選びましょう。 正規輸入品の場合、製品のパッケージに直接日本語で印刷がされています。 並行輸入品は逆に、パッケージや商品説明が外国語のままであり、上から日本語のシールが張ってあります。 そのシールすら貼っていないようであれば、流通経路がかなり不明瞭なものなので避けたほうかよいでしょう。

このように、もとの商品は同じでも、輸入方法によって品質が左右されることもあります。 ドッグフード選びの際は、そういったことも意識してみましょう。

まとめ

日本のドッグフード業界は、他のペットフード先進国よりも大きく遅れをとっているのが現状です。 国産の食品が安全という考えが適用されるのは、人の口にするものに限っての話であり、ペットフードの原料には必ずしもその認識が通用するわけではありません。

また、日本の安価なドッグフードには、穀類の割合が高いことが多いです。 とくに大手メーカーの、スーパーマーケットやホームセンターで販売されている大袋入りのものは、その傾向が強いです。 犬は本来肉食動物ですので、身体をつくるために多くの動物性たんぱく質を必要とします。 穀類が主原料に使われているドッグフードが、犬のためを思って作られているかと聞かれれば、すぐに頷くことはできないと思います。

とはいえ、国産のドッグフードにも良いところはたくさんあります。 良い商品を上手く選択できるのであれば、やはり自らの国の製品を与えたいと思う飼い主さんもいるはずです。 粗悪なドッグフードを見抜く方法を身につけるようにしましょう。