体調改善のためのドッグフード(腎臓)の特徴

腎臓とは

腎臓病は、がん・心臓病に次いで、犬の死亡要因としては三番目に多いとされています。 早期発見が難しく完治が不可能なので、身近ながらも厄介な病気です。

しかし、「腎臓」という器官がどのようなもので、腎臓病の何が問題であるのか、認識している方はあまり多くはないのではないかと思います。 専用ドッグフードについて知る前に、まずは腎臓についての理解を深めておきましょう。

腎臓は、簡潔にいえば「身体を正常な状態に保つ」という働きをしている臓器です。 身体に必要なものを再吸収し、不要なものは尿として身体の外へと追い出してくれる、ろ過装置のようなものです。 腎臓の主な働きは以下の通りです。

老廃物を身体から追い出し、尿をつくる

血液をろ過して、不要な老廃物や塩分を尿として身体の外へ出す働きをしています。 身体にとって必要なものは分別し、吸収します。

※腎臓が悪くなると…尿が出なくなり、老廃物や毒素が体内にたまりやすくなります。

塩分と水分の排出量をコントロールし、血圧を調整する

腎臓は、「血圧の調整を行う働き」を持っていますので、血圧と密接な関係を持つ臓器です。 血圧が高いときには塩分と水分の排出量を増やすことで血圧を下げ、逆に低いときは塩分と水分の排出量を減らすことで血圧を上げています。

※腎臓が悪くなると…高血圧になります。 高血圧は腎臓に負担をかけるので、さらに悪化してしまう可能性があります。

血液を作る指示を出す

腎臓はエリスロポエチンというホルモンを出しますが、これは骨髄中の細胞に対し、赤血球を作るための刺激を与えるホルモンです。 つまり腎臓は、血液を作るための司令塔のような役割を担っています。

※腎臓が悪くなると…十分な量のエリスロポエチンを出すことができなくなり、貧血になってしまうことがあります。

体液量やイオンバランスを調整する

腎臓には、身体の中の体液量やイオンバランスを調節したり、ミネラルを体内に取り込んだりするなどの働きもあります。 動物が日ごろ摂取する水分量は一定ではありません。 夏には積極的に水を飲みますし、冬場は逆にあまり飲みません。 にもかかわらず体重がさほど変化しないのは、腎臓の体液量を調節する機能によるものです。 摂取した水分が多い場合は薄い尿を大量に排出し、逆に水分をあまり摂らなかった日には、濃い少量の尿を出すように調節しています。

※腎臓が悪くなると…体液量の調整がうまくいかなくなり、身体がむくむなどの不調が現れます。

活性型ビタミンDをつくり、骨を強化する

活性型ビタミンDは、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な栄養素です。 その活性型ビタミンDを作っているのが腎臓であり、骨の強化に一役買っている臓器なのです。

※腎臓が悪くなると…活性型ビタミンDが不足し、カルシウムの吸収が難しくなるため骨が弱くなります。

腎臓病になる原因

基本的な原因として、腎臓に負荷をかけすぎると腎臓が悪くなります。 特に、リン塩分タンパク質を摂りすぎると腎臓に負荷がかかり、腎臓病になりやすくなるといわれています。

肥満や運動不足、暴飲暴食が原因で、腎臓を悪くするわんちゃんも多いようです。 ワンちゃんに人間の食べ物を与えたりしていないでしょうか。 人の食べるものは、犬の食事と比べてずっと塩分量が多いです。 特に小型犬の場合は、少しの量の塩分でも身体に大きな負荷をかける可能性があります。

老化によって腎臓の機能が衰えてくることもあるので、シニア期に突入したワンちゃんは特に注意して観てあげることが大切です。

腎臓機能サポート用ドッグフードの特徴

腎臓を悪くしてしまったワンちゃんのために、「腎臓サポート用ドッグフード」が各メーカーから販売されています。 腎臓は非常に強い臓器ですので、腎臓に多少不具合が起きたとしても、自覚症状すら感じない、といったケースが多いです。 裏を返せば、腎臓の不調が症状として表れているということは、腎臓の機能が大幅に低下しているということです。

食事内容を改善することは、腎臓をサポートするのにたいへん効果的な方法です。 腎臓病のための食事療法のノウハウが、 腎臓サポート用ドッグフードにも活かされています。

リンの含有量を制限

腎臓病を患うと、同時に「高リン血症」という病気を引き起こすことがあります。

健康な状態であれば、吸収された量と同量のリンが腎臓の機能によって排出されるので、身体にリンがたまることはありません。 しかし腎臓の機能が落ちてくると、リンを尿へ排出することができず、体内にたまってしまいます。 高リン状態が続くと、骨がもろくなったり、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こす可能性があります。

そのため腎臓サポート用のドッグフードには、あらかじめリンの含有量を制限してあります。

タンパク質の含有量を制限

人の場合も同じですが、腎臓病患者はタンパク質の摂取量を控えることが好ましいとされます。

タンパク質は栄養として吸収される際、クレアチニンや尿素窒素などの毒素を出しますが、これらは腎臓でしか排泄されません。 三大栄養素のうち、エネルギーとして使われた際に毒素が出るのはタンパク質だけです。 ですので、タンパク質を摂りすぎるとその毒素の処理も多くなり、腎臓に負担がかかってしまいます。 そのため腎臓サポート用のドッグフードは、フード内のタンパク質含有量を制限し、低タンパクになっています。

しかし、ここでひとつ注意しなければならないのは、タンパク質は抑えなけらばならない反面、カロリーの摂取要求量は通常時と変わらないということです。 肉などの、タンパク質を多く含む食品は基本的にカロリーが高く、これらを制限してしまうと摂取カロリーもおのずと減ってしまいます。 そのためカロリーはそのままで、タンパク質の摂取量を減らす必要があるのです。 これは手作りのごはんでは、少し難しいかもしれません。

腎臓病対策用のドッグフードはタンパク質量を抑えつつ、カロリーは通常時に近い値になるように調整されています。

食いつきをよくするための工夫がされている

腎臓の機能が低下すると、わんちゃんの食欲も落ちてきてしまいます。 食事による療法は腎臓病に非常に効果的ですので、ごはんをしっかりと食べてほしいものです。

そういった状況にも考慮し、腎臓サポート用ドッグフードは嗜好性を落とさない工夫がされています。 犬の好む香りをつけて、食欲を刺激するなどの例が挙げられます。

腎臓病の兆候・症状

腎臓病は、早期発見が難しい病気です。 病気が進んだころになりようやく症状が現れますので、気づいた時にはかなり進行していた…という事例も少なくありません。 日頃から愛犬の様子をしっかりと観てあげるようにしましょう。 特に、高齢化すると身体が衰えて腎臓病に罹りやすくなりますので、少しでも様子がおかしいと感じたら、病院に連れて行くようにしましょう。

まず、腎臓は尿や血圧を司る臓器ですので、そこに影響が出てきます。 尿の量が多くなったり、薄い尿をしていたら要注意です。 腎臓の機能がうまく働かず、尿濃縮能が低下している可能性があります。

また、血圧の調整が難しくなり高血圧になったり、貧血症状が現れたりします。

その他にも、食欲不振や被毛の傷み、口臭、身体が痩せるなどの症状が現れれば、腎臓病の疑いがあります。 腎臓はある程度まで機能が低下すると、基本的にもとには戻らない臓器です。 しかし、きちんと対処をすることで症状を緩和させたり、進行を遅らせることが可能になります。 その分早期発見が大切な病気でもありますので、ワンちゃんの行動を普段からよく観察しておくようにしましょう。

注意

※この記事の内容は、様々な「腎臓サポートドッグフード」の銘柄の特徴をまとめたものです。
商品によって特徴は多少異なりますので、すべての腎臓病用フードに上記の特徴が当てはまるわけではありません。