ドッグフードの種類「総合栄養食」とは?メリットと注意点

ドッグフードの種類「総合栄養食」

主食としてドッグフードを選ぶ際には、まず「総合栄養食」であるかどうかを確認しましょう。
総合栄養食とは、犬が生きていく上で必要な栄養基準を満たしており、該当フードと水を与えていれば、それだけで健康を維持することのできるドッグフードのことです。
各ライフステージに合わせて栄養基準が設けられており、それに従って製造されます。
ドライタイプのドッグフードのほとんどが、この総合栄養食になります。

「総合栄養食」と書かれていなければ必要な栄養を満たしているフードではありませんので、それを主食として与えないようにしましょう。
とくに缶詰タイプのものは、総合栄養食のものとそうでないものがあるため注意が必要です。
おやつ用に与えるならば一般食(総合栄養食ではない)のものでも構いませんが、主食としてあたえるならば総合栄養食でなければなりません。
選ぶ際はよくパッケージを確認して、目的に合ったドッグフードを選ぶようにしましょう。

総合栄養食のドッグフードは毎日食べる「主食」となるわけですから、与える食事の中でもワンちゃんの体調に直結する大切なものになります。
品質の良いものやわんちゃんの身体に合ったものを与えれば、それだけ健康に繋がります。
そしてドッグフードはあまり頻繁には替えず、ひとつのものを長く続けることが一般的に好ましいとされています。
そのため総合栄養食選びは、慎重に行うことが必要です。

総合栄養食のメリット

総合栄養食のドッグフードの多くはドライフードですが、こういったものは食いつきが悪かったり、製造工程を見られないなどの理由から、敬遠しがちな飼い主さんもいるかもしれません。
また、安全性を考慮した結果、「手作り食の方がいい」と手作りドッグフードを選ぶこともあると思います。
しかし総合栄養食のドッグフードを選ぶことには、様々なメリットがあります。
今回は主に、「総合栄養食の基準を満たすドッグフードを手作りした場合」と比較して考えていきます。

栄養バランスが整っている

総合栄養食の何よりの強みはやはり、「栄養バランスが整っている」という点です。
手作りでは難しいような細かい栄養の調整も、総合栄養食のドッグフードではすでになされていますので、栄養が極端に偏る心配はありません。
手作りでこれを行おうとするとやはり大変で、思いがけない栄養の過剰摂取または不足から、病気にかかってしまうこともあります。
粗悪な原材料でも最低限の栄養が摂れるごはんと、栄養の偏りはあっても良質な素材を使用したごはんとでは、実は後者の方が急性で重篤な症状を発生しやすいのです。
そういった意味では、手軽に最低限の栄養が確保できる総合栄養食のドッグフードは、飼い主さんの強い味方となるでしょう。

簡便である

手作りのドッグフードにかかる手間と比較すると、市販品の総合栄養食は非常に簡便です。
あれこれ調理を加えたり栄養の配分に気を遣う必要もなく、フードを取り出して与えれば終了です。
手作りをするなど、ごはんにある程度手間をかけることは愛犬とのコミュニケーションにもなりますし、良いことです。
しかし続けられるようなものでなければ、忙しくてできない日もあるでしょう。すると食生活が不規則になり、ワンちゃんの身体に負担がかかってしまうかもしれません。
利便性ゆえに、安定して食事を与えられるのも、総合栄養食の強みです。

値段が安く済む

それなりに値段のするドッグフードでも、手作りと比較すると安く済むことが多いです。
ワンちゃんに必要な栄養バランスのとれた食事を1から作るとなると、やはりそれなりに値段がかかります。
最も負担になるのは「お肉」で、犬は毎日多くの動物性タンパク質を必要としますが、それを肉で補うとなると、小型犬でも毎日50~100gのお肉が必要になります。
中型犬や大型犬になればその量はさらに増えますし、野菜などのトッピングも足さなければなりません。
また、足りない栄養を補うためにサプリメントなどを併用することもあるかもしれません。
そうするとどうしても、ある程度の費用がかかってしまいます。
総合栄養食のドッグフードならば、そのすべてを一食で満たすことができ、経済的です。

総合栄養食の注意点

総合栄養食はあくまでも、「生命を維持するうえでの最低基準を満たしているにすぎない」ものですので、その品質に関してはまた別問題となります。
最低限の栄養は確保できるものの、それ以外の品質に関してはドッグフードによって多種多様です。
例えば原材料に関しては、人も食べられる品質の原材料を使用しているものから、ゴミ同然のものを使っているものまであります。
添加物の使用量も、無添加のものから「ほぼ添加物」といったものまで様々です。
どのドッグフードを選ぶかによって、当然ワンちゃんの健康状態も左右されます。
その点に関しては飼い主さんの手にゆだねられていますので、飼い主さんのライフスタイルとわんちゃんの体調に合わせて、ベストなものを選べるようにしましょう。

そして犬にとって必要な栄養のうちのひとつである「水」は、ドライタイプの場合ほとんど摂取できません。必ず新鮮な水と一緒に与えてあげることが大切です。
水分不足が気になる場合は、フードをぬるま湯でふやかしたり、出汁などをかけてあげてもよいでしょう。