ドッグフードを切り替える理由
健康な犬ならば10年以上生きる子が多い中、一生のうちに全くドッグフードを切り替えず、ずっと同じものを与えているというケースは、なかなか稀だと思います。
最も多いであろうケースは「子犬用のフードから成犬用フードに切り替える」、または「歳をとってきたので、成犬用フードからシニア用に切り替える」といった、加齢による切り替えです。
そのほかにも、
- 今まで食べていたドッグフードにアレルギー反応を起こしてしまった
- 病気のため、療法食に切り替える必要がある
- 肥満気味のため、ダイエットフードに切り替える必要がある
- 今与えているドッグフードよりも、もっと良いものを見つけた
- 常食していたドッグフードが手に入らなくなってしまった
- 今までは市販品だったが、手作り食に移行したい(もしくはその逆)
- アレルギー回避のために、フードローテーションを行っている
などの様々な原因が考えられます。
市販品を与えている場合はとくに、「ドッグフードを切り替える」といった場面に遭遇する可能性は高いと思います。
それでは、ドッグフードを別の銘柄(もしくは手作り)に切り替えるときは、どのような方法を取ればよいでしょうか。
ドッグフードの切り替え方法
ドッグフードは徐々に切り替える
ドッグフードの切り替えを行う時のポイントは、切り替えはゆっくり行うということです。
例えば今まで与えていた製品Aをやめて、翌日から突然製品Bを与える、というやり方は実はあまりよくありません。
主食や食生活が突然変わるのは、消化器官に負担をかけ、犬にとってもストレスになるものなのです。
場合によっては、切り替えによる消化不良で下痢や嘔吐を起こしてしまうかもしれません。
とくに、穀物中心のドッグフードから肉中心のフードに切り替えたときなど、主原料が大きく異なる場合は要注意です。
突然の変化に胃腸が対応しきれず、お腹を下す可能性が高くなります。
急な事情でフードを別のものにしなければならない場合はやむを得ないですが、別のものに変えると事前にわかっているときは、新しいものと今食べているものを混ぜて、少しずつ慣らしてあげましょう。
基本的に、ドッグフードの切り替えはわんちゃんの負担、ストレスになるものだと考えてください。
突然切り替えても全く問題のないわんちゃんもいますし、切り替えが多いからといって突然重い病気にかかるわけでもありません。
しかし、かといって不用意に切り替えてしまっては、犬にとって負担になってしまうことは確かです。
人の都合で切り替えを行う以上、わんちゃんにとって最大限負荷がかからないように配慮してあげることが大切です。
ドッグフードの切り替え方
それでは、わんちゃんにとって切り替えによる負担がかからないようにするには、具体的にどうすればよいでしょうか。
ひとつの方法として、「新しいドッグフードを少しずつ食事に混ぜて慣れさせる」というやり方があります。
まず、現在食べさせているドッグフードと、新しく食べさせたいドッグフードを用意します。
最初のうちは、新しいドッグフードの割合が全体の1~2割程度になるように混ぜます。
回数を重ねるにつれて、新しいものの割合を少しずつ増やしていきます。
1~2週間ほど経ったころには、完全にフードが切り替わるように調整すると、丁度よくスムーズにいきます。
この期間に関しては、最短でも5日以上はかけるようにしてください。
時間やフードに余裕があったり、ワンちゃんの具合が良くない場合は3週間ほどかけてもよいかもしれません。
フードの残量やわんちゃんの体調などを確認して、おおまかな期間を設定してみてください。
切り替えたフードが犬に合っているか確認する
ドッグフードをゆっくり切り替えたのに、わんちゃんの体調があまり良くない…というような場合は、切り替えたドッグフードが身体に合わないのかもしれません。
ドッグフードが身体に合うかどうかは、実際に食べさせてみないとわかりません。
徐々にフードを切り替えているときは尚更、「このフードが合わない」というサインが症状として顕著に表れることは少ないのです。
そのため飼い主さんによる日々のチェックが不可欠になります。
ワンちゃんは言葉を発することができないので、人のように細やかな症状を伝達することはできません。
しかし便の状態や毛並みを確認することで、おおよその体調を把握することができます。
おおまかな見分け方は、以下の通りです。
- 便がゆるい(下痢)・においがきつい・回数が多い など
- この場合は、フードがうまく消化できていない可能性があります。
主にアレルギーだったり、食物不耐性(アレルギーではないが、特定の食べ物に拒否反応を示すこと)、消化しにくい原料が使われているなどの原因が考えられます。 - 皮膚をかゆがる・毛づやがない
- アレルギー反応を起こしているかもしれません。
あまりにひどい場合は、病院でアレルゲン検査をしてもらったほうがよいでしょう。
ドッグフードがわんちゃんに合っているかどうかについて詳しくは、
→ドッグフードが犬に合っているかの見分け方 を参考にしてください。
まとめ
とくに移行期間中は、わんちゃんの様子や便の状態などをよく確認してあげることが大切です。
病気や加齢のために、主食であるドッグフードを切り替える日は来ると思います。
事前に切り替えに慣れておけば、来るべきその切り替えもスムーズに行うことができ、ワンちゃんと飼い主さんにとってのストレス緩和にもつながるでしょう。