劣化したドッグフードを見極めるポイント

劣化したドッグフードを見極めるポイント

ドッグフード、とくにドライタイプのものは水分が少なく、なんとなく「保存食」のイメージがありますよね。
ですので、それらが「劣化する」または「腐る」といった様子は想像しにくいのではないでしょうか。
ですが、ドッグフードも食べ物なので当然腐りますし、傷みもします。
むしろ腐ることは自然なことなので、数か月間放置してもほとんど変化がないようであれば、強力な酸化防止剤を使用している可能性があり、危険です。

良いドッグフードほど、天然由来の酸化防止剤を使用しているため腐りやすい傾向にあります。
せっかく良いドッグフードを選んでも、劣化したものを与えてしまってはわんちゃんの身体にとって良くありません。

それでは、ドッグフードが劣化しているかどうかの判別は、何を基準におこなえばよいでしょうか。
今回はとくに保存期間が長く、劣化が分かりにくいドライタイプを中心にみていこうと思います。

犬の食いつきを見る

ドッグフードが劣化しているかどうかはまず、ワンちゃんの食いつきを見て判断しましょう。
犬は匂いに敏感ですし、酸化した油が良くないことは本能的に理解しています。
ですので、いつもは喜んで食べているはずのドッグフードを突然食べなくなったら、ドッグフードの劣化が進んでいるのかもしれません。

もちろん、体調不良などによる食欲不振や偏食の可能性もあります。
そんなときは、ワンちゃんの体調や行動をよく見て判断してあげましょう。

同じ銘柄の新しいものは喜んで食べるのであれば、ドッグフードが劣化していた証拠です。
ドッグフードは劣化すると味も落ちますから、よく考えれば当然の行動なのかもしれません。
 →劣化したドッグフードの味が落ちる原因とは?

ドッグフードを見る

少々判別が難しくなりますが、ドッグフードそのものを見て劣化しているかどうかを判断する方法があります。
実際に粒を手に取ってみるなどして、確認してみましょう。
劣化したドッグフードは、本来ならば食べさせないのが一番です。
ワンちゃんがフードを嫌がるより前に確認して、悪いものを回避させてあげるようにしましょう。

色が変化していないか

色で劣化の有無を判断するのは、手軽な方法のひとつです。
どのように変化するかに関して一概にはいえませんが、粒の色が濃くなっていく傾向にあるようです。
ドッグフードというと茶色いものが多いですが、それが黒っぽく、または濃い茶色になっていくようなイメージです。
とはいえ、開封直後のドッグフードの色を鮮明に覚えていることは難しいと思いますので、新しいものを少し開けて比較してみてもよいでしょう。

比べなくとも明らかに色が変化しているのであれば、劣化している証拠です。
新しいものに取り換えてあげましょう。

匂いが変わっていないか

匂いが変わっている場合も、フードが劣化している可能性があります。
私たちが食べるものも、腐っているかを見た目で判断できない場合は、匂いを嗅いで確かめたりしますよね。
それと同じ方法です。
ドッグフードの袋を開けると独特な匂いがしますが、それが明らかに変化していれば劣化が進行しているとみてよいでしょう。

油が浮き出ていないか

ドッグフードには、必要栄養素である脂質を補うために油が使用されていることが多いですが、この油が酸化してしまうのもよくありません。
空気に触れたり高温多湿の場所に置かれると、この油は「酸化」してしまいます。
油は酸化すると、「トランス脂肪酸」という物質に変化し、わんちゃんの身体に害をなすものになってしまいます。

油が酸化しているかどうかの判別方法は、ドッグフードの表面に油が浮き出てきているか否かです。
一粒取り出して触ってみてください。
油っぽく、しっとりとした感触があれば酸化によって油が浮き出てしまっている可能性があります。

劣化したドッグフードによる弊害

それでは、劣化してしまったドッグフードは、犬にとってどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

よほど腐敗が進んでいない限り、劣化したドッグフードを少し食べたからといってすぐに体調を崩すわけではありません。
しかし、劣化の進んだドッグフードを食べ続けていると、様々な弊害が出てきます。
アレルギーを引き起したり、動脈硬化や心筋梗塞、果てはがんなどを発症する危険性があるのです。

ドライタイプのドッグフードの劣化は、比較的判別が難しいです。
中で酸化の進行しているドッグフードも、一見すればさほど問題のないように見えるかもしれません。
ですので、無意識のうちにこれらを長期的に与えてしまう可能性は、十分にあるということです。
大袋で購入した場合は、とくに注意が必要です。

ドッグフードの中には、10kg以上の大袋で売られているものもあります。
基本的に大袋の方が小分けのものより安く購入できますが、保存期間には留意する必要があります。

たくさん食べる大型犬や、多頭飼いならばさほど問題はないですが、小型犬を一匹のみ、というご家庭で大袋を飼うと、劣化したフードを長期的に与えてしまう危険性が高まります。

一日に50gのフードを食べるわんちゃんの場合、10kgのドッグフードを購入すれば食べきるのには半年近くかかってしまうことになります。
たとえカンパンのような保存食でも、半年前に開封したものを食べられるかどうかと聞かれたら、尻込みする人がほとんどだと思います。
きちんと保存していないのならば、なおさら抵抗があるでしょう。
ですが、そういったドッグフードを与えるということは、犬にも同じことをしてしまっているということです。
これでは後に健康を害してしまっても、無理ないと思います。

このようなことのないように、ドッグフードは適切な方法で保存し、一か月程度で食べきれる量を購入するようにしましょう。

ドッグフードの保存方法については、以下の記事を参考にしてください。
 →ドッグフードの酸化を防ぐ上手な保存方法
 →ドッグフードの保存に適した容器の種類と選び方