ドッグフードで下痢をしたら
わんちゃんにドッグフードを与えたら、下痢をしてしまった…。
犬を飼っていたらもしかしたら、このような場面に遭遇することもあるかもしれません。
ドッグフードが原因で下痢を起こしてしまうことは、実はわりとよくあることなのです。
特に、ドッグフードを違うものに切り替えたときによく出る症状といえます。
普段与えているものに問題があるのか、それとも切り替えたものが身体に合わなかったのか。
原因によって対処法は異なってきますので、まずは落ち着いて下痢の要因を探ってみましょう。
考えられる原因
ドッグフードがわんちゃんの身体に合っていない
まず考えられる原因は、ドッグフード自体がわんちゃんの身体に合っていないということです。
慢性的に下痢が続くようであれば、普段与えているドッグフードが合わずに消化不良を起こしているかもしれません。
フードを切り替えてすぐに下痢の症状が出たようであれば、「このドッグフードは受け付けない」と身体が拒否反応を示していることもあります。
これを食物不耐性といい、すぐに症状の出るアレルギーとは違い、数時間経ってから下痢として症状に表れるのが特徴です。
フードが身体に合わない原因についてもいくつか考えられますので、ドッグフードの原材料表示を確認するなどして、思い当たる理由を探してみましょう。
原材料が粗悪である
原材料の品質が低いと、消化不良を起こして下痢になってしまうことがあります。
例えば安価なドッグフードの場合、「肉」と表記されているものでも、ほぼごみ同然のものが使用されていることもあります。
また、米やトウモロコシなどの穀類も、きちんとしたものならばまだ消化しやすいですが、品質に難ありのものが多いです。
人が食べられないような非常に古いものが使用されていたり、殻などのほとんど栄養にならない部分が使われていることもあります。
このようなドッグフードを毎日食べていたら、お腹を壊すのも無理ないかもしれません。
原材料表示に「肉類」や「米粉」のように曖昧な表記がされていたり、原型をとどめない原材料が含まれるものではなく、「チキン胸肉●●%」「うるち米」などの具体的な表記がされているドッグフードを選んであげましょう。
こうすることで、粗悪なドッグフードはある程度選別することができます。
極端に安価なドッグフードを食べて下痢をしてしまったら、ドッグフードをもう少し良いものに替えてあげてもいいかもしれません。
アレルゲンとなる原料が含まれている
アレルギー反応として表れる症状のひとつに「下痢」があります。
ドッグフードでわんちゃんが下痢をしたら、何かアレルゲンとなるものがフードの中に含まれているかもしれません。
あまりに症状がひどい場合は、病院でアレルギーの検査をしてもらいましょう。
アレルゲンとなる食べ物がわかれば、食生活を見直すことで症状の緩和をはかることができます。
穀物が含まれている
犬は本来穀物の消化を得意としていませんが、安価でエネルギー源としても効率の良い原料です。
安いドッグフードにはとくに、かさ増しのために穀物が多めに使用されています。
その場合消化器官に負担がかかり、下痢をしてしまうこともあります。
摂りすぎるとアレルギーになることがありますし、犬の身体にも負担がかかってしまいます。
下痢が続くようであればグレインフリー(穀物不使用)のドッグフードに切り替えてあげてもいいかもしれません。
穀物のかわりにさつまいもなどが含まれていると、消化に効果的です。
ドッグフードを食べすぎた
ドッグフードの品質自体に問題がなかったとしても、単純な「食べ過ぎ」によっても下痢は起こります。
これは食べ過ぎたために、腸内で食べ物の水分を吸収する力が追い付かず、便の水分量が多い状態で排出されるためです。
普段与えても問題のないドッグフードで下痢の症状が出てしまった場合は、いつもよりたくさんあげすぎていないか、またはおやつを与えすぎていないか考えてみてください。
犬は本能的に、出されたものはたとえ満腹でも食べてしまう傾向があります。
ごはんのあげすぎには、くれぐれも注意しましょう。
ドッグフードの量に関して詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
→1回に与えるドッグフードの適量とは?犬に合わせた調整も必要
ドッグフードが劣化していた
保存方法によっては、ドッグフードが酸化したりして劣化していることもあります。
すると賞味期限が過ぎていなくても、そのドッグフードを食べるとお腹を壊してしまう可能性があるのです。
日の当たるところで保管していたり、袋の封をきちんと閉めていなかったりしないか、確認するようにしましょう。
→ドッグフードの酸化を防ぐ上手な保存方法
ドッグフードを急に切り替えた
ドッグフードを急に切り替えた場合でも、下痢の症状が起こることもあります。
切り替え前と切り替え後のフードに問題がなく、わんちゃんの身体に合っていたとしても、主食の急な切り替えは胃腸に負担をかけてしまいます。
たとえば私たち人間も、海外旅行先で急に慣れない食生活に切り替えたりすると、お腹がゆるくなった経験があるのではないでしょうか。
身体は、突然の食生活の変動にうまく対応しきれないときがあります。
ですので、必要以上にドッグフードを切り替えることはしないようにしましょう。
切り替える場合も、前のフードによほど問題がない場合は、はじめは少しずつ混ぜるなどして徐々に切り替えてあげることが大切です。
対処法
ドッグフードを切り替える(徐々に)
ドッグフードが身体に合わず下痢をしてしまった場合は、違う種類のドッグフードに切り替えてあげるのも手です。
とくに食物不耐性(ある食べ物の成分が身体に合わず、過敏な反応を示すこと。アレルギーとは異なります)やアレルギーによる下痢の場合は、フードを早めに切り替える必要があります。
合わないフードを食べ続けていては、体調が改善されるはずもないですからね。
しかし食事を突然全く違うものに切り替えてしまうと、消化器官が対応しきれずお腹を壊してしまうことがあります。
わんちゃんの身体のためを思ってフードを替えたのに、それでは本末転倒です。
ドッグフードの切り替えによる下痢は、アレルギーの有無や切り替えたドッグフードの合う合わないに関わらず発生します。
以前のドッグフードに最初は1~2割ほど混ぜ、徐々に新しいフードの割合を1割ずつ増やしていきます。
1週間~10日ほどかけて、気長に焦らず切り替えていきましょう。
ドッグフードの切り替え方の詳しい方法につきましては、以下の記事を参考にしてください。
→ドッグフードの上手な切り替え方とは?
新しいものに変える
ドッグフードが古い、または保存状態が悪く劣化してしまっている場合は、思いっきって新しいものに替えてしまいましょう。
酸化したり、湿気てしまったフードにはわんちゃんの身体によくない成分が含まれていることもあります。
残ってしまった古いフードは勿体無いですが、処分するようにしましょう。
そして新しいドッグフードは、きちんと高温多湿を避けた場所に置き、密閉容器に入れるなどの工夫をして腐らせないようにしましょう。
絶食をさせる
食べ過ぎ、もしくは消化不良による下痢の場合は、絶食をさせるのもひとつの手です。
「絶食」と聞くと、犬の身体にとって負担になるのではないか、可哀想ではないか、と思われる方もいるかもしれません。
しかし絶食は、働きすぎた胃腸を休ませるのに効果的な方法でもあるのです。
基本的には、24時間何も食べさせないようにし、水も飲ませないようにします。
喉が渇いている様子を見せた場合は、氷を与えて舐めさせます。
とはいえ激しい水下痢のときや犬にあまり元気がない場合は、脱水症状を起こすなどさらに悪化してしまうことがあるため、やめておきましょう。
判断が難しいところですが、あまりに様子がおかしいと感じたら、獣医さんに診てもらうようにします。
急を要する下痢の見分け方
下痢の程度によっては、ドッグフードを切り替えたり絶食をしたりしても、効果がない場合があります。
それは食べ物が原因ではなく、病気の症状として下痢を引き起こしているときです。
その場合は家でできるような処置だけで済ますのではなく、病院に連れて行く必要があります。
病気と気づかずに放置して、重篤な事態にならないように、どういった症状が危険なのかをよく知ってきましょう。
- 下痢と同時に嘔吐の症状もある
- 発熱している
- 血便が出る
- 一日に何度も水状の下痢が出る
- 下痢の症状が何日も続く
- 元気がなくなる、食欲が落ちる
こういった症状がみられる、または続く場合は、消化器官のトラブルや寄生虫に感染している可能性があります。
それ以外にも、下痢に伴い明らかに普段と様子が異なる場合は、様子見だけでは危険なこともあります。
わんちゃんの細やかな変化に気づいて挙げられるのは、ほかでもない飼い主さんです。
手遅れになる前に、必ず病院へ連れていくようにしましょう。