子犬(パピー)に適したドッグフードの選び方
犬は人間に比べて成長が早いですが、子犬の時期、とくに成長期は人の10倍以上の早さで身体が大きくなっていきます。
小さな子犬の身体から、大人の身体になるまでの大切な時期ですので、このときの食生活は犬にとって非常に大切なものになります。
適切なフード選びで、わんちゃんの成長を助けてあげましょう。
高タンパク・高カロリーのもの
子犬の時期は身体を作っていく大切な時期なので、成犬と比べてより多くのカロリーやタンパク質を摂らせてあげることが大切です。
成長期には、成犬に比べて1kgあたり約二倍のカロリーが必要になります。
誤って成犬用のフードを与えてしまうと、カロリーが低く必要な栄養を摂れなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
子犬に必要なタンパク質はドッグフード全体の25%程度、つまり4分の1です。
成長のために、それより下回らないようにすることが大切です。
また、子犬は基本的に成犬よりも運動量が多いです。
たくさん動いて身体づくりをする子犬のためにも、高タンパク・高カロリーのドッグフードを選んであげましょう。
消化しやすいもの
子犬のうちは消化器官が未発達なため、消化しにくいものを与えることはその子の身体にとってよくありません。
ドッグフードをふやかすなどして、なるべく消化によい与え方をしてあげましょう。
便の様子をこまめにチェックして、わんちゃんの消化状態を把握してあげることが大切です。
一度にたくさんは消化できないため、3~5回に分けて与えるようにしましょう。
グレインフリーのもの
グレインフリーとは、つまり穀物不使用のことです。
犬は本来肉食動物ですので、穀物を上手に消化する身体のつくりにはなっていません。
子犬はなおさら消化機能が未熟なので、穀物の消化は身体の負担になってしまいます。
また、穀物はアレルギーを引き起こす危険性があります。
後のトラブルを避けるためにも、穀物不使用のドッグフードを選びましょう。
免疫サポートがされているもの
生後1~2か月の哺乳期には、母犬のお乳から体内に取り込んだ移行抗体(母親から受け取る抗体のこと)によって、子犬の身体は免疫力が高い状態にあります。
しかし離乳期になると、その免疫力が弱まり色々な病気にかかりやすくなります。
そのため免疫力を高めるために、ビタミンEなどの抗酸化成分が含まれたドッグフードを選ぶことが大切になります。
栄養バランスのよいもの
子犬が口にするフードは身体づくりや以降の食生活の基礎となっていくものなので、栄養バランスがしっかりしているものを与えることが原則になります。
高カロリー・高タンパクで、カルシウム・リン・ミネラルなどがバランスよく含まれているものが理想的です。
ここで気を付けなければならないのが、それぞれの栄養の扱いについて。
例えばカルシウムですが、「身体をつくる大切な時期だから、骨を丈夫にするためにたくさん与えなきゃ」と必要以上に与える行為はNGです。
カルシウムを過剰に摂取すると、もともと決まっていた骨格の成長を超えてさらに急成長してしまう可能性があります。
すると骨格異常などの様々なトラブルを引き起こし、わんちゃんの身体に物理的な負荷をかけてしまうことになります。
明らかにカルシウムが不足している場合を除いて、サプリメントなどによる過度なカルシウム摂取は避けましょう。
また、リンの過剰摂取も危険です。
カルシウムが不足しリンの摂取が過剰になると、低カルシウム血症や高リン血症などの病気になってしまいます。
カルシウムとリンは拮抗関係にあるため、リンを多く摂取しすぎるとカルシウムの吸収が妨げられてしまうのです。
このように、必要な栄養が少なすぎても多すぎてもいけません。
定期的に犬の健康状態をチェックしてあげましょう。
まとめ
高カロリー・高タンパクで栄養バランスが良く、消化や免疫をサポートしてくれるフードが理想的です。
しかし、たとえ上記の条件を満たしていても、原材料が粗悪だったり(この場合価格が極端に安価なことが多いです)、危険な添加物を使用しているものは犬の身体にとってよくありません。
子犬時代に与えてしまえば、いつか何らかの形でトラブルになるかもしれません。
価格帯に関しては飼い主さんそれぞれの都合もありますので、可能な範囲で良質なドッグフードを選んであげてください。