ドッグフードは冷凍してもよいのか
保存期間を延ばすために冷凍保存をするのは、私たちの普段の食生活においてもよくあることだと思います。
お肉を多めに買って、まとめて冷凍保存…といった光景なんかもよくみられると思います。
ドライタイプの場合
ドライタイプのドッグフードの場合、結論からいえば冷凍保存はあまり適していません。
そもそも、ドライタイプのドッグフードは水分含有量が10%以下と低いため、常温でも長期保存が可能です。
冷蔵庫や冷凍庫に入れてしまうと、扉の開け閉めやフードの出し入れの際に温度差で結露が生じ、カビの発生の原因となってしまうのです。
冷蔵庫から出したジュースを暖かい部屋に置いておくと、容器の表面に水滴が浮かんできますよね。
それと同じ現象がドッグフードの中でも起き、カビの発生しやすい環境を作り出してしまうのです。
つまりドライタイプのドッグフードの長期保存を可能にしている「水分含有量の少なさ」という特性を、冷蔵庫や冷凍庫に入れたことで壊してしまうことになるのです。
カビといえば、気温の高いところで生じるイメージが強いですが、活動が活発にならないというだけで、死滅するわけではありません。
カビの最低生育温度は0度とされています。
ですので当然冷蔵庫の中でも発生することはありますし、冷凍庫も開け閉めを頻繁に行っていればカビが生える可能性もあります。
冷凍庫で保存したからといって、必ずしも安全というわけではないのです。
→ドッグフードは冷蔵庫で保存する?フードのタイプ別に解説
こちらの記事でも紹介したように、ドッグフードは基本的に冷蔵庫での保存はNGです。
理由は上記で述べた通りですが、冷凍庫に入れた場合も、「あまりよくはないが、冷蔵庫にくらべればまだ安全である」といった程度でしょう。
また、解凍した野菜などを食べたことのある方は分かると思いますが、食べ物は冷凍すると風味が落ちてしまいます。
そして冷凍庫はたくさんの食べ物が詰めれれていますので、匂いが移りやすくなります。
普段とは異なる風味や食感、においを警戒して、ワンちゃんが解凍したフードを食べない可能性もあります。
せっかく長期保存しても、肝心のワンちゃんが食べてくれないのでは意味がありません。
ドッグフードも食べ物ですので、冷凍保存によって腐敗を防ぐメリットはあります。
うまく保管すれば長期保存も可能になるでしょう。
しかしそれなりにデメリットも伴う方法であることを、きちんと意識しておくようにしましょう。
ウェットタイプの場合
ウェットタイプは名の通り水分含有量が高く、未開封でなければ常温で保存することはできません。
開封後は清潔な容器に移し替え、冷蔵庫で保存する方法が基本となります。
とはいえもともと腐りやすいものなので、冷蔵庫に入れたとしてもその日か翌日中には食べきることが大切です。
そしてウェットタイプの場合、冷凍保存も可能です。
冷凍保存をすると、およそ1週間~1ヶ月程度保管することができます。
しかしドライフードの冷凍保存時と同様に、ウェットタイプも風味が変わったり匂いが落ちたりするため、注意が必要です。
保存期間はあくまで目安ですので、フードの状態を見て、与えるべきか破棄すべきかどうかを吟味しましょう。
そして前提として、ドライタイプもウェットタイプも、一度犬が口をつけたものはむやみに保存しないようにしましょう。
雑菌が繁殖する危険性があるためです。
冷凍庫(冷蔵庫)での保存は、まだ食べつけていないドッグフードに限って行うようにしてください。