犬を手作りドッグフードだけで育てても大丈夫?
わんちゃんの健康のために、ドッグフードを手作りされる飼い主さんも多いと思います。
そこで浮上してくるのは、「愛犬を手作りフードだけで育てて大丈夫なのか?」という疑問です。
結論からいえば、きちんと犬にとって必要な栄養を把握したうえで、安全に気を配ることができていれば、手作りフードのみを与えても大丈夫です。
しかし全てを手作りに切り替えるということは、栄養をバランスよく含んだ市販品(総合栄養食)の代わりを手作り食のみで補うということです。
そのため、当然それ相応のハードルが求められます。
「付け焼刃の知識でなんとなく」作って与えてしまっては、かえって大切なわんちゃんの健康を損ねかねません。
飼い主さんの努力や気配りが必要不可欠になります。
以下の点に気を配りながら、わんちゃんの身体に合ったごはんを作ってあげましょう。
手作りの際に留意すべき点
手作りのドッグフードで犬を育てる場合、いくつか気をつけねばならないことがあります。
それは、
- 犬にとって必要な栄養をおさえておくこと
- 犬に与えてはいけないものを把握し、与えないようにすること
- 安全面に気を配ること
の3点です。
犬にとって必要な栄養をおさえておくこと
栄養面に関しては、まずは飼い主さんがしっかりと勉強し、毎食調整することが必要になります。
わずかな栄養バランスの偏りも、毎日積み重なれば見逃せない量になり病気を引き起こす恐れがあります。
犬に必要な栄養素は主に炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・水分です。
これらをわんちゃんの身体に合わせてバランスよく与えることが大切です。
ビタミンやミネラルなど、単一で摂取することが難しいものはサプリメントを適量与えてあげるのも効果的です。
また、意外と見落としてしまいがちなのが水分です。
犬にとって水は、生命維持や老廃物を排出する役割を果たすとても大切なものです。
ごはんに出汁をかけてあげたり、スープのようにするなどして十分に水分を取らせてあげましょう。
犬に与えてはいけないものを把握し、与えないようにすること
ネギ類やチョコレートなどは、犬に与えてはいけない食品として有名です。
しかしそれ以外にも、わんちゃんに与えると危険な食べ物はたくさんあります。
例えばぶどう、特にレーズンは大量に摂取すると腎不全を起こして死んでしまうこともあります。
また、ほうれんそうやまぐろなどは、加熱後は問題がないものの生で与えると有害なものです。
アボカドのように犬の個体差によって食べられるか否かが変化するものなど、ひとくちに「与えてはいけない」ものも様々です。
そのほかにも、わんちゃんによっては特定の食品にアレルギー反応を示す場合があります。
取り返しのつかない事態にならないように、お家のわんちゃんが何を食べられないのかをきちんと把握し、管理してあげることが大切です。
与えてはいけないものについては「手作りドッグフードに使わないで!犬に与えてはいけない食材」で詳しく解説しています。
安全面に気を配ること
安全面に関しては、より細やかな配慮が不可欠な項目です。
まず、手作りドッグフードに多用されるお肉ですが、骨の部分には十分注意しましょう。
例えば鶏肉の骨は生の場合柔らかく、噛むことでカルシウムを摂取することもでき犬にとっては良い食べ物です。
しかし鶏の骨は加熱すると固くなり、裂けた際の断面が鋭利になるため、飲み込むと消化器官を傷つける恐れがあります。
魚の骨も同様に、喉に刺さってしまう危険性あるため注意が必要です。
加熱処理に関しても、必要に応じて行うことが求められます。
肉や野菜に火を通しておくことは、細菌類や寄生虫から犬の身体を守ることに繋がるため、安全面に考慮するのであれば行うようにしましょう。
しかし栄養面からみると、この加熱という行為は肉・野菜に含まれる「酵素」の破壊を引き起こすため、一概に良いとはいえません。
酵素はドライフードや加工食品にはほとんど含まれていませんが、犬にとって大切な栄養素のひとつです。
きちんと安全を確認したうえで、生肉や生野菜を与えて酵素を摂らせてあげるのもよいでしょう。
また、手作り食を与える際は、食材を細かく刻んであげることも大切です。
犬の身体は肉食に適した作りになっているため、お肉は比較的大きめにカットしても大丈夫ですが、野菜は消化に不向きです。
犬は食べ物を丸吞みしてしまうため、野菜をあまりに大きな状態で出すと詰まらせてしまう可能性があります。
万が一丸呑みしてもいいように、そして消化しやすいようにフードプロセッサーで刻むなどしてから与えましょう。
このように、手作りのドッグフードを与える際には留意すべき点がたくさんあります。
わんちゃんの健康のために、ひとつひとつ確認していくようにしましょう。
犬は人間ほど味覚の発達した動物ではありません。
そのため食べ物に対して飽きる、といった感覚はあまりないそうです。
人間と全く同じ価値観や感覚を持っているわけではないため、安易な想像でわんちゃんの健康を害さないように、正しい情報を得ることも大切です。