コストパフォーマンスでドッグフードを選ぶ時に気を付けたいこと
犬は生き物ですので、ただ可愛がればいいというものではありません。
飼うのにはそれなりのお金が必要になります。
その中でも特に振れ幅が大きく、かつ毎日必ずかかるのが「食費」です。
どのようなドッグフードを選ぶかによって、この部分は大きく変わってきます。
ドッグフードを選ぶ際に、まず注目するのが「値段」であるという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
特に成分表や原材料などは確認せずに、「売られているものの中で、とにかく一番安いもの」を選んで購入している方もいるかもしれません。
しかし度を越えて安いものには、安いなりの理由があります。
大型スーパーやホームセンターで売られているドッグフードの中には、1kgあたり100円~300円、場合によってはそれ以下の格安価格で売られているドッグフードが存在します。
有名なメーカーのものも多いため、一見すればおかしな状況には見えませんが、少し考えてみてください。
肉食傾向の強い犬にとって、最も必要な栄養は「動物性たんぱく質」、つまりはお肉です。
1kg100円のドッグフードの場合、100gあたりにかけられるコストは単純計算で10円になります。
さらに広告費などが含まれ、そこから利益を出そうとするのですから原材料はそれ以下の値段です。
つまりこれをお肉に置き換えると、100gで10円以下のものを使用しているということは、その程度しかお金がかけられないということです。
私たちが日頃口にするお肉は、安くても100gで100円前後です。
では、もしスーパーなどで100gで10円以下のお肉が売られていたらどうでしょうか。
「この肉は本当に安全?」「なんのお肉だろう」と怪しんで買わない方がほとんどだと思います。
しかしこの価格帯のドッグフードをわんちゃんに与えているということは、このような本来ならば買わないような、悪質なお肉を食べさせてしまっているということです。
そして販売店では、このような原材料を使用した製品がズラリと並んでいます。
犬だから粗悪な原料に特別強い、というわけではありません。
ですが、「レギュラーフード」と呼ばれる通常のドッグフードの多くがこの価格帯です。
その場合、コスト削減のために「4Dミート」とと呼ばれるタダ同然のお肉が使用されていることもあります。
→4Dミートを含まない安全なドッグフードの選び方
また、安いドッグフードの場合は、生産コストを下げるために穀物でかさ増ししていることが多いです。
犬はお肉の消化に特化した身体のつくりをしていますが、穀物の消化は得意ではありません。
しかし良質なお肉をメインにするには、それだけお金がかかります。
安価なドッグフードの原材料がこのようなものになってしまうのは、言ってしまえば仕方のないことなのです。
高価でも質の悪いドッグフードもたくさんありますが、安価で良質なドッグフードを作るのはほぼ不可能です。
安ければ、それだけ原材料にかけられるお金も減ります。
原材料費がほんの少ししか与えられていない状態で、「人間も食べられるくらい良質な材料を使って、お肉メインで、栄養満点のフードを作ってください」と言われても無理な話ですよね。
安いドッグフードには安いなりのリスク(※)があり、お財布を圧迫しないこと以外のメリットを望むのは厳しいのです。
とはいえ、飼い主さんにもそれぞれ事情があると思います。
高級ドッグフードを購入したせいで、飼い主さん自身の食べるものが買えなくなってしまっては本末転倒です。
ご自身のできる範囲で、安全なドッグフードをわんちゃんに選んであげましょう。
※安価なドッグフードの場合、原材料にかけられるコストは低くなりますので、どうしても質が落ちてしまいます。中にはゴミ同然の原材料を使用しているもの、安全性のはっきりしない添加物を大量に使用しているものもあります。
適正価格は?
先ほどの100g10円のお肉の例にもあったように、食べ物には「適正価格」というものがあります。
適正価格とは、原価や利潤を考慮に入れて、適当だと思える価格のことです。
商品に対して価格が高すぎても「ぼったくりでは?」と思えてしまいますが、かといって安ければ良い、というものでもありません。
安すぎれば逆に、「この商品は本当に安全なのかな?」というような疑問が浮かぶはずです。
ドッグフードの場合、原材料や利益を考慮して考えると、適正価格はおよそ1kgあたり1000円以上といわれています。
もちろん、この値段以上のものだからといって必ず安全であるとは限りません。
販売価格には広告費も含まれますので、フードの質よりも宣伝に力を入れている場合は値段相応の品質がのぞめない可能性があります。
1kgあたり1000円以上のものでも、原材料表示を見ると穀物中心のものや、「肉類」「チキンなど」「ミートミール」などといった曖昧な表記が目立つものもあります。
ですので購入の際は、しっかりと原材料表示を確認してから選ぶことをオススメします。
コストパフォーマンスとは、「支出した費用に対して得られた満足度の割合」です。
飼い主さんの考え方や状況によって、その基準は変わってきます。
「フードの質は気にしないから、とにかく安いものがいい」という人にとって、1kg1000円のドッグフードは「高すぎる。コスパが悪い」ということになります。
しかし「高くてもいいから、とにかく高品質なものを」と考えている人にとっては、たとえ1kg2000円のドッグフードでも、質の高いものならば「たった2000円でこんなに良いものが買えるなんて、ココストパフォーマンスが高い」と満足感を得ることができ、人それぞれです。
まとめ
飼い主さんの買ってきたもの、または作ったものを食べるだけです。
しかも犬は人間とは違い、フードローテーションをしない限りは同じものを食べ続けます。
もし私たちが、毎食カップラーメンやジャンクフードを食べ続けていたら、一週間もたたずに体調を崩してしまうでしょう。
犬の場合は、良質なドッグフードであれば毎食同じものでも問題はありません。
むしろ良いものであれば、同じものを与えるほうが良いこともあります。
しかし添加物を大量に含み、何の肉のどの部位かもわからないドッグフードを食べ続けていたら、ワンちゃんの身体がどうなってしまうかは想像がつくと思います。
わんちゃんの健康と、飼い主さんの経済状況をうまく照らし合わせて、飼い主さんと愛犬にとって最良のドッグフードを選んであげてください。