ドッグフードの形
ドッグフードの分類は、栄養価や使用目的、水分含有量などに分けるのが一般的ですが、フードの形状ごとにも分けることができます。
形が違うということは、使用目的が異なるということであり、それぞれに特性があるのです。
あまり普段気にかけることのない分類方法ですが、少し踏み込んでドッグフードについての理解を深めていきましょう。
粉状
文字通り、粉タイプのドッグフードです。
主に水で溶いたり、ふりかけとして使用されます。代用乳や栄養補強食などに利用されます。
加工方法の例としては、噴霧乾燥(スプレードライ)などが挙げられます。
トッピング(ふりかけ)としても使用しやすい形状です。
粒が非常に細かいため、犬が選り好みをしてよけたりすることもなく、まんべんなく与えることができます。
しかし粉状のものは軽いため、飛散しやすく水に溶けにくいというデメリットもあります。
顆粒(かりゅう)状
顆粒状とは、粉よりも粒の直径が大きいもので、特に粉末を固めて大型の粒に成形したものを指します。
私たちが普段見かけるものとしては、和風だしのもとやごはんにのせるふりかけなどを思い出してもらえれば、形が想像しやすいかと思います。
用途としては、水やお湯でふやかす離乳食や、子犬用のドッグフードなどに使用されます。
粉末状とは異なり、水に溶けやすく飛散もありません。
フレーク(被膜)状
こちらも水でふやかす離乳食などに使用されます。
薄く加工されているため、大粒のものよりも食べやすく、子犬や小型犬に適した形状といえます。
発泡状
ペットショップやスーパーなどで売られている多くのドッグフードが、この形状になります。
一般的に「ドッグフード」というと、この形のものを指すことが多いです。
発泡処理がされた固形のドッグフード(ドライフード)で、気泡が含まれることで砕けやすくなっており、カリッとした食感が特徴です。
水分含有量が低いため食いつきはやや悪い傾向にありますが、噛むと細かく砕けるので消化によく、歯の健康にもよいです。
形も定番の丸形や円柱形から、ハートや骨の形など様々なものがあります。
粒の中心に別の内容物を注入したものなど、種類は多種多様です。
クランブル状
一度発泡させたドライフードを、さらに細かく砕いたものをクランブル状といいます。
水分をよく吸いふやけやすいので、子犬用(成長期用)のドッグフードによく使用されます。
固形(発泡していない)
固形状のフードのなかで、発泡処理が行われていないものを指します。
ドライタイプやセミモイストタイプのドッグフードなどに利用されます。
固形状のフードは発泡させることが多いですが、水分量やタンパク質の多いものの場合は処理をせずに固形状にすることがあります。
発泡したものに比べて消化はしにくくなりますが、発泡したものとは違い圧力をかけずに成形するため、素材本来の成分を生かすことができます。
ビスケット状
主に間食やおやつなどに使用されます。
形や材料は、私たちが日ごろ口にするビスケットに近いものです。
今ではおやつや間食用などでしか見かけることのないビスケットですが、世界で初めて作られたドッグフードはビスケット状のものでした。
→ドッグフードの歴史を簡単に学ぼう
棒状
主に犬用ガムなどに使用される形状です。
ひとつひとつが長いため、ワンちゃんも長時間楽しむことができます。
ガムだけでなく、棒にササミが巻かれているものもあり、犬の好みや用途によって使い分けが可能です。
嗜好性が重視され、総合栄養食には該当しないものがほとんどです。
液状
母乳の代わりや嗜好性増進飲料などに使用されます。
水分含有量が高いため、密閉容器に入れ、殺菌処理がされています。
近頃では使い切りタイプのチュールなども売られ、トッピングとしてもよく利用されています。
まとめ
形状の細かいものや水分含有量の多いものは、ふやけやすく消化にもよいため、主に子犬用として使用されます。
かつては人の残飯を与えるなど、犬の食事は「動物の餌」としての性格の強いものでした。
しかし時代が進むにつれて、犬を家族として扱う傾向が高まっていき、ドッグフードも多種多様な変化を遂げていきました。
この変化は、今後さらに顕著になり、ますます多くの種類のドッグフードが生まれていくと思われます。
店頭には実にたくさん種類のドッグフードがありますが、犬は自身の食事を選ぶことができません。
飼い主さんが正しい知識を身に着けて、愛犬に最適なドッグフードを選んであげることが大切です。